2011年6月27日月曜日

おいしいしかけ




オランダの南部ブラバント州で暮らす毎日は、のんびりとした自然体の環境のせいか、仕事のことでカリカリ来る以外はごくごく淡々と時間が流れていくようです。そうした単調さに、一ヶ月経ってみて、だんだんと飽きてきました。それを自覚したのは所用でアムステルダム方面に三日間だけ移動した際でした。こんな小さな国ですが、たった一時間半のドライブでこんなに風土がちがう。南部で退屈してきた私の気分がガラッと変わりました。

南部の食べ物は、野菜がおいしくて、ルクエを使っての電子レンジ調理に何の不満もなく、時々の外食も決して悪くないのです。でも、以前の住み慣れたアムステルフェーンや当時よく訪ねたハーレムなど、気取らないカフェやくつろげるレストランでの満足度は、南部では味わえない類いのものでした。

何が違うのだろうか。

それはサプライズの気分とでも言えるでしょうか。

写真は昔の風車小屋の内部をバー兼レストランに使っているお店での一こまです。
ワイングラスもビールグラスも普通じゃない。木製の受け台の穴に刺さっているからかろうじて倒れない。テーブルの上におくことが出来ない、不思議なグラス。テーブルマナーの先生が見たらびっくり!の発想です。、

さらに出てきた一品もこのように斜めに傾いた器に入っていました。二つの異なる味を一つのお皿に盛るのとは少し違った、別の楽しみ方の出来る盛り付けでした。(よくよく眺めたら、なんだか食べかけのごちゃごちゃしたお皿にしか見えないので、やめました。その代わりに、こちらもあまり出来はよくないのですが、ミントティーとアップルケーキの写真を下に載せました。 ( 9/Jul. ばぐまま)

また、写真はありませんが、嬉しくなってしまったミントティーのサプライズ。大振りのガラスコップに生のミントが山のように差してあり、そこに目の前でお湯を注ぐだけ。ミントの葉はコップからはみ出しているので、ただお湯を注ぐだけではティーになりません。お湯に全体が漬かるようにスプーンでギュッギュッ。そんな一つ一つの作業がおいしいミントティーへの期待を高めてくれます。


おいしいと思うその仕掛けはこんなところにもありそうです。

2011年6月6日月曜日

おいしい表情

日本では食べ物に関するテレビ番組が氾濫しています。
私は食べ物をアップで映し出すカメラワークがなかなかだと思うものの、「これを見なさい」という押し付けがましいところが好きではありません。だったら見なければよいので、この種の番組はあまり見ません。

でも、たまに見てしまうことがあります。それは旅の番組中の食事場面です。

おいしいっ!という表情が、ムムム、くるしーいっ、と言っている様に見えます。
あまりのおいしさに、息が止まりそう、という意味なんでしょうか。

オランダに来て、おいしそうな表情を見て、そうだった、おいしい表情っていうのはこういうんだった、と思い出しているところです。