2016年5月20日金曜日

未完の憲法 -語録

夫が面白いから読んでみたらと勧めてくれた本。

未完の憲法

奥平康弘
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木村草太

https://www.usio.co.jp/html/books/shosai.php?book_cd=3836

奥平氏:日本国憲法は、「今後国際連合軍が作られるであろう」ということを前提に作られたと思うんです。国連のPKO(平和維持活動)に従事する平和維持軍のことではなく、国連安保理の決議によって組織された正式の国連軍ね。国連憲章の第52条に規定があるけれど、そのような正規の国連軍は、いまに至るも一度も組織されたことがないわけです。だから国連軍が潤滑に機能することを前提として作られた自衛隊は、その前提を失ってしまったわけです。

これを読んで私は合点がいった。日本国憲法は決して理想だけを追い求めて憲法9条が あるわけではなく、世界の中で、世界平和を求めていく過程で日本の立場を明確に打ち出したものだということを。

奥平氏:中国はこれからますます大国化し、やがては経済規模でアメリカを追い抜くでしょう。でも、その中国が隣にあるからといって、日本までが変な対抗意識を持って大国を目指す必要はない。 ーー そもそも、僕は大国の方が偉くて小国がダメだとは思いません。小国であっても諸外国から尊敬を集める国というのは、十分にあり得るのです。日本はそのような、「世界に誇れる小国」目指すべきです。ーー 「日本はいい国だ」と世界の人からいってもらえるような、「一味違った日本」を目指すべきです。
木村:その「誇るべき小国」を目指す際の武器になるのが他ならぬ憲法9条であるということですね。

ただ、戦争放棄をうたっているだけじゃない。憲法9条の目指すものは、世界平和なのだ。これってすごい発想だと思う。戦争が決して真の解決策ではないこと、戦争をしない国として、世界の平和のために積極的にイニシアチブをとっていく。これこそ、日本の進むべき道だということを、改めて確信を持つことができた。  (2016年5月19日)

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