2014年12月7日日曜日

オランダから -12月14日は投票に行こう-

2週間の予定でオランダに来ています。いま、ちょうど半分が過ぎたところです。
時差8時間の移動は年々きつくなってきます。若い頃は「時差ぼけ」などという言葉とは無縁でしたが、最近は体が慣れるのに数日から1週間はかかります。今回も1週間たってやっとオランダ時間でのリズムになってきたところです。

ところで、衆議院選挙の投票日まであと1週間。今回の、まさに青天の霹靂と言える解散総選挙、14日が投票日と前もってわかっていたらオランダから帰国する日を早めたのに。

予想では投票率の如何にかかわらず自民圧勝、そんなことになってしまわないよう、投票に行ける人はとにかく投票所に足を運んでください。自民党以外に政権を任せられる党はないから自民党に投票、という選択肢も今回は無しだと思います。

山本太郎議員が展開する「さよなら安倍政権 自民党議員100人落選キャンペーン」は、自民圧勝の各メディア予想だけを見ていると気づかない「ひょっとしたら。。」をビジュアルで確認できます。各295選挙区のうち、半数以上の選挙区で「前回非自民が勝利した」か「自民党落選有力区」なのです。
 では、どうしたら自民党候補ではない対立候補を当選させられるか、この肝心な点がはっきりしないのです。せめて、自由な議論の場を増やして、一人でも多くの有権者を巻き込んでいくことが必要なのではないでしょうか。

2014年5月3日土曜日

あれから三年が過ぎて。。。

福島の原発事故から3年経って、福島の人たちのふるさとへの思いや、現実の生活不安、先行きの見えない焦燥感など、ちょっと考えただけでも国への怒りがこみ上げてきます。その反面、直後の恐怖感のような感覚は薄れ、危険に対する備えも忘れかけています。本当は、以前にも増して危険なのではないか、状況はほとんど改善されないのに、そのこと自体に疎くなって行くのは、本当に危険なのではないか、原子力村の人たち、原発を推進したい人たちにとって、私たちの感覚が鈍ってくるのは願ってもないことでしょう。

(ちょっと話が飛びます。)
いつだったか、フランス語の先生と雑談をしていたとき、戦争の話になりました。もし、自分の愛する人がただ「敵だから」という理由で殺されたら、あなたはどうするか?というテーマで話しました。 彼は、「復讐する!愛する人を殺されたら、地の果てまでも追いかけて行って同じことを、同じ悲しみを相手にも相手の家族にも」と。普段はとても理性的で、クールな印象の人なのですが、だからこそ、そんな理不尽なことは許せない、理由なく受けた被害は黙って見過ごせない、という強い思いが伝わってきます。

翻って私はどう考えるだろうか。きっと、しばらくの間は報復するにはどうしたらよいかと考えてみたり、ただひたすら悲しんだり、めちゃくちゃになるでしょうけれど、次第に「仕方のないこと」「やられたらやり返す、を続けても終わりがない」「悲しむ家族を増やしてよいのか。悲しむ人は私だけにしておかねば」という気持ちになってくるでしょう。ずっと変わらずに復讐するのだ、と思い続けるのはとてもエネルギーの要ることです。
 
日本人は熱し易く冷め易いとよく言われますが、本当にそうかもしれません。どうもすぐに諦めの気持ちになってしまうような気がします。

(ここで元に戻って)
今、私たちは原発事故の直後に「このままこんなことを続けていてはだめだ。日本は変わらなければ。今ならそれができる」と多くの人が 脱原発、反原発の意思を持ったことを忘れたかのように流されるまま、意図しない方向に向かっているような気がします。
あれだけの大事故とそれに因って受けた損害や心の傷に対して責任の所在もわからず、反省や対策も曖昧なまま、ずるずると原発再稼働に引きずられて行くという構図は、まさに私たちの冷め易い気質を利用し、あきらめムードが流れるのを原発推進派は計算済みなのではないかと思えてなりません。



2014年3月19日水曜日

わるいやつら (宇都宮健児著)を読んで -3月24日加筆しました-

サラ金・ヤミ金・債務整理を名目に返済金を横領する悪質弁護士などなど、弱者を食い物にするビジネスが跋扈する日本。

弱者に対してやさしくないな、この日本は。。。

それをこの著書で思い知らされた。
貧困ビジネスという名の多岐にわたる悪徳はとどまるところを知らない。一つ規制すればまた別の、更に手の込んだ方法が生まれる。今の社会は根本的に間違った道を進んでいるのではないだろうか。

2013年時点で、年収200万未満の人1000万人を超え、非正規労働者は2000万人を突破して全労働者の38.2%、すなわち3人に一人以上が非正規労働者になっているという現実があります。

また、金融広報中央委員会の統計によれば、1980年代に全世帯のうち貯蓄ゼロ世帯は5%前後だったのだが、1990年代は10%前後となり、そして現在は26%を超えているのです。4世帯に1世帯は貯蓄ゼロです。また年金だけでは生活できない高齢者も急増しています。 (P124)

身近に上記のような問題に直面している人がいないので、まさかここまでとは想像できなかった。この4月から情況は更に悪くなる。各方面から安倍政権の横暴に対する批判が渦巻いている。人々は、多くの犠牲の上に築いて来た戦後日本がいまとんでもない方向へ向かおうとしていることを感じている。一人一人の幸福の総体が国家の安寧だと思う。それなのに、こんなに困窮している人を増やし続けている。それでも権力者は権力を行使する。権力を持つとはこういうことなのだ。

2014年2月10日月曜日

都知事選が終わって -2月15日加筆しました-

結果は舛添氏が選ばれるだろうことは、期間中ずっと、ほとんど疑いの余地がないほど明かでした。それでも、やはり疑問は残ります。

1)メディアの報道管制、報道の自粛はあまりにも不自然でした。今回舛添氏のとんでもない発言が後から後から明るみに出て、とうとう「舛添さんを都知事にしたくない女たちの会」まで発足し、海外メディアもこぞって伝えました。しかし、国内では主だったテレビや新聞はだんまりでした。事実、ちょうど投票日に集まった友人5人はだれもこのニュースを知らなかったし、別のところでこの運動に賛同してほしいと頼んだところ、悪意があって舛添氏を落とそうとする運動かと疑った人もいました。何しろどこにもそんなニュースは流れないのですから。

2)メディアの報道管制、報道の自粛その2。メディアの欠陥をもっと端的に表しているのは、公平という錦の御旗のもと、何も報道しないという姿勢です。そして何も勉強しようとしないコメンテーターたち。ネットをやらない有権者は候補者の政策や人柄、バックグラウンドなどほとんど知りようがありません。候補者のスローガンからかろうじて類推するだけです。また、報道に携わる人たちは候補者の政策をきちんと読み込んでおらず、知らないまま間違った(あるいは不十分な)情報に基づいて有権者に語るため、正しい情報はますます闇の中に埋まってしまいます。今回、私はこのことを宇都宮けんじさんをずっとフォローして初めてわかりました。宇都宮さんの政策は実にきめ細かく練り上げてあり、すべてについて決められた時間内に十二分に話せないという情況なのに、コメンテーターはそれを政策がないとか、話題にならなかったと言わないで欲しいと思います。

3)大雪の影響で投票率が低かったのだろうか。終わってみれば46%の投票率。都民は不毛な知事選に嫌気がさした、争点がぼけた、とか言われています。そこに大雪の影響で出足が削がれたと。でも、ほんとうのところは最初から都民という意識を持った都民は少ないのだと思います。東京の下町や古くからの住宅街に長年住んでその土地に愛着を抱いている都民ばかりではない。多くの東京在住者にとって東京はチャンスを与えてくれる場所でしかないのでしょう。

普通選挙が実施され、男性のみでしたが参政権が樹立されたのは1925年、女性の国政参加は戦後になってからの1946年、僅か68年しか経っていません。多くの人権活動家の血の滲むような努力があって得た権利なのです。いま、その権利について、「勝ち取った」という認識を持っている人は果たしてどれほどいるでしょうか。勝ち取ったという経験がないので、粗末に扱っているのかもしれません。民主主義然り。これは文字通り「民」が「主役」という考え方だと思います。一人一人が自分の頭で考えて、隣の人、向かい側の人と意見を交わしながら、繋がって行く。そうやって皆が参加して成り立つ社会が民主主義社会。時の権力者の強権の下で右向け右となす術もなく流されて行くのはもうこりごりです。いま、東京デモクラシー、草の根デモクラシーという言葉が少しずつ広まっています。その言葉の意味をもう一度考えてみたいと思います。

投票率の低さは、大雪のせいではなく、まさに都民の実態を表しているだけなのかもしれません。

2014年1月29日水曜日

都知事選と脱原発

私は気がかりでなりません。この国の行方が。

都知事選でにわかに脱原発が話題になっています。

脱原発、54機もつくってしまって、どうやって原発に頼らないエネルギー政策に切り替えられるのだろう、いくら現在一機も動いてないと言っても、止めたらそれで「はいさよなら」というわけにはいかない原発施設なのですから、動かしても地獄、止めても地獄、それなら動かしてしまえ、みたいな気分になることも多いかもしれないなとおもいます。私は、何が何でも今のこの機運が過ぎ去らない間にきっぱりやめるべきと思っています。

ただ、このまま原発を動かせなければ、電気料金を値上げすると東電が脅かすように、原材料の輸入にこのまま莫大なお金を使い続けることは到底できないと多くの人は考えているでしょう。電気料金の値上げは事業の命取りになるという会社もたくさんあるでしょう。

いま、本気で原発は安全だと考えている人がどれほどいるでしょうか。ほとんどの人が、原発の怖さはわかっているのです。でも、原発を止めた場合の実行可能な代替エネルギー案が決まらない限り、原発のお世話になるしかないと考えていると思います。

代替エネルギーが簡単に見つからない、だから原発という結論になるのは早すぎます。小泉さんがいみじくも言うように、国がその方向性を打ち出せば、後は、有能な人たちが創意工夫をどんどんやってくれるでしょう。早く、とにかく早く舵を切ることが肝心なのだと思えてなりません。

武田先生のブログ 資源エネルギー庁の無計画を、資源エネルギー庁の報告書から知る
に原子力、石炭、天然ガスのキロワットアワーのコスト比較が載っています。資源エネルギー庁のさじ加減的案配を排した比較です。結果、原子力はだいたい11.5円、石炭が8円、天然ガスが10円。元のグラフだと石炭と天然ガスにはCO2対策費が組み込まれているため、原子力より高く見えますが、実際はこのように原子力より安いのです。

このことをもっともっとみんなが理解すれば、本当に脱原発に舵が切れると思います。